標高190センチメートル

190cmの世界一周旅行記、写真10万枚、ブックレビュー、コラム等等。生き様赤裸々。

 

パルミラの遺跡
2006_07_20_回廊入り口
 生きてて良かった!190cmです。今はもうダマスカスにいるんですが、素晴しい経験をした感動は段々効いて来るものなのですね。パルミラの遺跡の中にいる最中は夢心地でぽんやりしているばかりでした。
 間違いありません、この遺跡は今まで見てきた中で最高です。何て言っても、近所で戦争しているもんだから遺跡独占貸切状態だったのです!
 チキンハート190cm、鳶とて鷹として生きねばならぬ時もある、とうそぶきながらシリアを縦断した甲斐がありました。サイコーです。

2006_07_20_墓所
 手前のおじさんは雇った運転手。公共交通なんて無い田舎なのでTAXIをチャーターしました。物価がそもそも激安なのですがリッチな気分になりました。奥にいるのは「遺跡の鍵を管理しているおじさん」です。なんと筆者しか客がいないので、この鍵守は筆者のTAXIに乗り込んで、筆者と行動を共にするのでした。
 筆者の3歩先を行き鍵を開け、筆者が出てくると鍵を閉める。相当暇だったらしくTAXIの中ではアラビア語で大合唱。ジャパニーがジャパンから来た〜とか言ってた気がします。筆者も手拍子叩いてました。まあトルコから来たんですけどね。とても楽しかったです。

2006_07_20_階段にいた少年
 遺跡の規模も広大です。マチュピチュやテオティワカン等も大きかったですが、やはり「誰もいない」と言うのがいいです。見渡す限り。今までの遺跡にはUFOと交信している欧米人がいたり修学旅行の地元民がいたり長野県老人会がいたりしてどうしようも無かったのです。絶望的でした。
 写真は数少ない観光客に絵葉書を売りに来た少年です。土産を売りに来る少年がこんなに素直な表情を見せた遺跡も初めてです。

パルミラの遺跡2
2006_07_20_デル神殿
 素晴しきかなパルミラの遺跡。写真はベル神殿です。この遺跡の素晴しいところはまだあります。基本的に「立ち入り禁止」が無いのです。極一部、痛みやすい壁画が残っている墓所などは鍵かけてたり、入場料とったりしてましたが、90%は放置状態です。触りまくりの抱きつきまくりです。今まで見てきた遺跡は要所要所にロープが張ってあって眺めるだけでしたが、ここはロープのロの字も無かったです。
 勿論、ロープには意味があります。遺跡保護と客の保護です。この遺跡は荒れるがままで客の安全も大して考えてない、そこが更に大好きになりました。更にはただいま発掘調査中って感じの場所まで野晒しで入っていけたのでブリブリ進入しました。穴掘ってあっただけですが、いい気分でした。

2006_07_20_崩れそうな回廊
 客の安全、つまりいつ崩れるかわからないような場所には近づかないようにしている遺跡が多かったのですが、パルミラは放置です。写真の石柱群、周りに崩れ果てた石柱が転がっていました。入場料とる部分には補強した跡も見えるんですが、殆どの場所はそのまんまと言った感じです。稀に明らかに補修したのがわかるのもありますが、極僅かです。
 “観光地化”されきっていない遺跡ってのはこんなにも良いものなんですね。

2006_07_20_パルテノンもどき
 風が吹いたら崩れそうなところが琴線にビンビンきます。歩いて回れる所はTAXIを帰して回ったのですが、何千年も前の遺跡の中に自分一人とりのこされると言うこの経験は一生忘れないでしょう。
 銀河鉄道の夜の世界にでも紛れ込んだような、天空の城ラピュタが落っこちてきたような、そんな感覚でした。早朝に行ったので日差しもしのぎ易く、風が出ていたので結構涼しかったんですよ。
 
 旅をしていて何が楽しいかって、こういうのですね。筆者はご当地料理や伝統料理も滅多に食べないで常に和食を求めている、旅の出会いに何も期待していないので自分からは滅多に話しかけない、それどころか、実は(?)インドアな引き篭もり気質だったりします。ガンジス川に行ってもカリブ海に行っても泳がなかった男です。
 それでもどうしても世界を周りたいのは、こういうどこかに自分を満たしてくれる風景がある気がしてならないからなんですね。この世界を他の一切を捨象して世界としてのみ体感できるような感覚の場所でしょか。

2006_07_20_逆光のお土産売り少年
 涼しい所でぼけーっとしているとたまに少年少女がお土産や水を売りに来ます。さっきまで彼方まで誰もいなかったはずなのに、どっから来たのか非常に気になりましたが、水を持ってきてくれるのは有難いことでした。何時間もボケーっと歩いていたらいつの間にか水が尽き、あれまと思っていたところにタイミングよく表れるところがプロですね。

2006_07_20_バイク
 地元民はバイクでどっからともなくやって来るようでした。ただガイドブックを見ると普段は遺跡の中にラクダ引きや土産売りがウヨウヨしているらしかったので、筆者は本当に運が良かったです。戦争は嫌ですが。しばらくすると他の観光客もチラホラ出現し始めましたが、満足でした。

アラブ城
2006_07_20_アラブ城
 アラブ城と呼ばれる城が山の上に建っていました。絶好の夕陽ポイントだと運ちゃんがいうので連れて行ってもらいました。運ちゃん、絶対的に客が少ないので少しでも筆者を多く運ぼうと色々提案してきましたが、無理強いしない所がGOODでした。国によっては勝手に連れて行きますからねぇ。

2006_07_20_アラブ城で遊ぶ少女
アラブ城には地元民が何故か沢山いました。もはや遊び場と言った感じでしょうか。入場料がかかるはずなのですが、親がガイドのお友達のようです。

2006_07_20_アラブ城のガイド
 アラブ城のガイド君。皆ガイドと呼びますがただの見回りです。皆もガイドという英単語を辛うじて知っているから筆者に奴がガイドだと言っていただけのようです。かなり暇そうでした。筆者にも何度と無くアラビア語で話しかけてきましたが、分かり合えなかったです。

2006_07_20_夕焼け姉弟
 夕陽を見つめる姉弟です。これくらいの年齢までだと撮影しても何も言われません。スカーフを被り始めると要注意です。しかし決ってますね、お二人さん。

2006_07_20_スカーフ少女
 スカーフでも、これくらいならまだ大丈夫なようです。この子の親父さんと最初にカタコト英語でコミュニケーションをとっていたのもあるかもしれませんが。
 真っ黒なスカーフ、ブルカを被っている年頃の娘さんは流石に撮影するのは勇気が要ります。

べトウィン
2006_07_20_べトウィン兄弟
 さてさて、実はパルミラ周辺にはべトウィンが住んでいます。筆者から稼げるだけ稼ぎたい運ちゃんが連れて行ってくれました。ヨルダンでべトウィンに会いに行くツアーが有名なのですが、どう考えてもシリアの方が物価が安くマイナーなので、観光客すれしていないべトウィンに会える気がして連れて行ってもらいました。
 案の定、観光客すれどころか純粋丸出しのべトウィン兄弟が迎えてくれました。

2006_07_20_べトウィン放牧
 べトウィンは遊牧民です。ヨルダン等では最近は定住している人も多いようですがシリアのべトウィンは未だ毎月移動を繰り返す人が多いそうです。羊が沢山、誘導犬が二匹、サソリや蛇対策のネコが一匹いました。親父さんは街に弟のお見舞いにいってるそうでした。撮ってもいいよと運ちゃんは言うけど明らかに嫌そうなのでお姉さんとお母さんはカメラ向けるのやめときました。

2006_07_20_テント
 べトウィンのテントです。3つありました。食事どころ、台所、バスルームの3つだそうです。夏なので寝室は外だそうです。実はもう夜です。泊まっていくかと言われましたが、カメラをあまり砂漠に野晒しにしたくないので断りました。
 しかし星が出るまで居座りました。砂漠の星空は最高です。星の王子様に逢える気までしてきます。しかし、写真には写らないですね、これが。撮って仕方ないんですが。砂漠に野宿、大タール砂漠で以前しましたが、お勧めです。世界観が変ります。結構色々な事が別にどうでも良くなります。

2006_07_20_べトウィン姉さん
 羊を撮っていたらべトウィン姉さんがファインダーに入ってきました。運ちゃんが突然「べトウィンの女は200,000シリアポンドだ」とか言ってきます。今度は売春の斡旋でもしてるのかと思いきや、どうも結婚する時の婿の準備金の話のようです。1シリアポンドが大体2,5円くらいなので50万円くらいです。シリアは4時間バスに乗っても150円の国です。
 さらにパルミラの街に住むアラブ人女性は60,000シリアポンドだそうです。随分下がった気がしますがシリア人にとっては大金です。
 そして運ちゃんが言うには彼の前乗っていたと言う三輪自動車は15,000シリアポンドだったそうです。
 彼の中では三輪車と女性がかなり近い同列で並んでいるようでした。旅の途中で出会い、一緒にシリア国境を越えた日本人の話だと、イラン等はもっと顕著で、女性を大事にするが、それは所有物としてだそうです。
 女性は子供も生めば家事もするし高価な絨毯を編んだりするので、大変重宝される印象です。しかし、田舎や昔の日本はどうだか知りませんが、筆者は現代日本の大都会で男女平等を基本に育っているので、そういう価値観を改めて提示されると戸惑いました。「お前、車の値段と女の子を一緒にするなよ」と。
 まあ、でも、ダマスカスとか見てるとカカア殿下も結構いる気がするんですけどね。主導権は母ちゃんにありと言った感じの家族が多いです。

今日の玉

パルミラの魚眼です。the world is mine!!
2006_07_20_魚眼



今日のテクスチャー

雨が降らないので野晒しの彫り物も結構残っています。
2006_07_20_壁



今日の萌 in the world

この大石柱回廊以外になにを萌えろと言うのですか?
2006_07_20_大石柱回廊



今日の撮影枚数1692枚
10万枚まであと65032枚

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by 190cm | Comments(3) | TrackBack(0) | Category [中東]



Comments

ひさしぶりに人を嫉妬したよ。これは凄いわ。レバノンがきな臭いのでちと不安だけど、行く価値はあるね。98年のインドネシア5月暴動の最中に家族でバリ島に行った。観光客は皆無で快適だったことを思い出した。でも、パルミラだもんなぁ。ぜんぜん、桁がちがうわな。ここだけ合流するべきだった・・・

by Pippin at 2006年07月23日 10:48

こんにちは。190cmさん自身がここでは星の王子様(Le Petit Prince)ですね。こぼれるような砂漠の星空を想像しました。美しい空とパルミラの遺跡と子供達!とてもすばらしいです。ありがとうございました。それにしても更新が遅かったので心配しました。

by mari at 2006年07月23日 15:48

Pipinさん>行く価値ありありです。シリア人は先のレバノン内戦でもう慣れっこのようで、レバノンは危ないけどシリアは安全だよーと口を揃えて大して意にかえさない様子です。
 実際、外国人が思っているよりはたいしたことが無いのかもしれません。

MARIさん>シリアはNET環境が貧弱でパルミラで更新できなかったです。首都はそこそこ早かったですが。
砂漠はいいですよー。

by 190cm at 2006年07月24日 15:56

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