2007年08月15日:トルファン 西遊記に出てくる土地
こんにちは。今日はこの更新の後ウルムチからクチャへバスで行きます。10時間だそうですが、寝台バスなので楽そうです。
クチャ、宮崎駿の漫画版「風の谷のナウシカ」にこんな名前のキャラクターがいた気がします。
ナウシカの舞台のモデルはパキスタンのフンザとかこの辺だそうです。噂ですが(オーストラリア説もある)。
さて、トルファンです。190cmすら知っていたこの名前、出国前々日くらいにウルルン滞在記と言うTV番組でちょうどやっていました。有名な観光地のようです。番組の中で気温が47℃と言っていたのでビビッた190cmは、ホテルも満員のようなので日帰りで済ます事にしました。中国人も火州と呼び怖れる酷暑の土地です。
しかし、前の記事の通り日帰り出来ませんでした…。

これはウルムチ−トルファンを結ぶ高速道路脇に連なる風力発電所です。この高速道路のあたりは常に風が吹き続けているようです。
いちいちこういう場所で写真を撮る為にバスを止めてくれるのはツアーのいい所ですね。普通に路線バス乗っちゃうとスルーされてしまいます。
しかし、若干英語も出来るらしきガイドが190cmに言ったのは「お〜るたいむ、ふぉろ〜み〜」の一言だけでした。最初から最後まで。迷子になるなよ、と。
ツアー参加者は中国人が殆どでウイグル系が2人、外国人は190cmだけでした。ハトバスツアーに日本語が解らない外国人が紛れ込んだような感じでしょうか。他の国の観光産業は大抵外国人相手なのに対し、中国のそれは中国人相手がメインなようです。沿岸都市部のリッチな中国人が旅行に来るんですね。沿岸部と内陸部では先進国と途上国並みの格差があります。

最初に訪れた葡萄園。トルファンは葡萄の産地としても有名だそうです。意外でした。砂漠の街なんですが、遠くの天山山脈から手掘りの地下水路(カレーズ)で水を運んでいるのです。凄いですね。
190cmはツアーにでも参加しないとこういう場所には来ないので中々良かったです。葡萄食い放題な所とか。ちなみに、この時の温度は筆者の携帯電話のストラップの温度計によると40度超えです。乾燥しているので日陰は結構楽なんですけどね。

葡萄の下で食事でした。ウイグル族の料理、ぶっかけうどんが出ました。失礼ですが、あまり美味くないです。

このジャイアンみたいな中国人は上海から観光に来たそうです。隣の食卓のウイグル族の少女と何か喋ってました。
この中国人は流石都会っ子だけあって、筆者と同等程度の英語力があり(つまり殆ど喋れないが最低限の意思の疎通は出来る)重要な事項は翻訳してくれる心優しい男でした。親分肌って感じでしょうか。
が、シシケバブ(羊の串焼き)をご馳走してくれた折、『コリアンのバーベキューとウイグルのバーベキュー、どう違う?』と突然尋ねて来て、190cmは『知らないけど、こっちの方が苦いんじゃん?』と答えると『お前韓国人じゃないのか?』と。
『いや、日本人だけど。』と答えると、周りに相席していた中国人も含めどよ〜んと気まずい空気が流れました。周りの人達も「Japanese」と言うフレーズには反応するんですね。相席のお爺ちゃんが孫に何事かと尋ねると、孫が「リーベンレン(日本人)」と翻訳して、やはり気まずそうにしてました。
やっぱり嫌われてますねぇ、日本人(リーベンレン)。
ホテルにあるTVつけるといっつも抗日戦争と思われる戦争映画やってますしね。

(孫です。PSPやってます。それ日本製だよ〜。)
しかし、ツアーの皆さんはその後も変わらぬ親切っぷりでした。特にジャイアンは何かと世話を焼いてくれました。
筆者の事をガイドが勝手に韓国人だと言いふれていたのかもしれません。何かしきりに「ハンゴル、ハンゴル」とか言っていたので。

同じツアーにいた家族連れのお婆ちゃんと孫娘です。一人っ子ばかりですね。一人っ子政策。他にも子供連れが4組くらいいました。皆一人っ子。不思議な事にあまり子供同士で絡まないんですね。

葡萄レストランの厨房の写真です。厨房といっても食卓から普通に見えます。この写真を撮っていたらジャイアンに注意されました。最初は何を言っているのか解らなかったのですが、どうもウイグル族はイスラム教徒で、イスラム教徒は撮影される事を好まないから気をつけろよ、と言う事らしいです。
中国人観光客も結構撮っているので便乗したのですが、気に留めておけ、と言った感じでしょうか。
実はこの上海から来た中国人の奥さんは超絶美人のウイグル人なので、この中国人はその辺の事情に人一倍詳しいのかもしれません。2人でラブラブ旅行のようです。ジャイアンは30歳だそうです。奥さんの美貌を褒め讃えると照れ笑いをする可愛い一面も。ちなみに、奥さんの写真はありません。
しかしうっかりしてましたね。ムスリムの特に女性を撮影するのは細心の注意が必要な事は中東では十分認識してましたが、中国と言う事で忘れてました。

食事をして葡萄園を散策して、干し葡萄の御土産屋に連れて行かれました。ツアーだと御土産屋に強制的に連れて行かれます。が、サービスで店の売り子が民族衣装で踊って見せてくれました。撮影しても良いとの事なので撮りましたが、残念、逆光ですね。
干し葡萄もたっぷり試食できたので満足です。バスで筆者の後ろの席の若夫婦中国人が何かと筆者に写真撮ってと自分達のカメラを渡してくるのですが、その礼なのか食べ物を買ってきては筆者に食わせてくれて、ここの干し葡萄もくれました。

少年の踊り子もいました。ひっきりなしに観光客がバスで乗りつけるので、踊り子も3人くらいいて分業してました。

少年とこの子は漢族顔ですね。キルギス族かもしれません。彼等はモンゴロイドです。隣国キルギスに沢山いますが中国にもいます。単に漢族と混血してるだけかも知れませんけどね。

この子はバスで筆者の前に座っていた少女です。声が大きくはしゃぎ回るので良く目立ち、ツアー客を見失ったときの目印になってくれる有難い存在でした。

これは火焔山と言う山の写真です。三蔵法師が旅の途中来たと言う場所です。『西遊記』にも出てきます。燃え盛る火焔山に行く手を阻まれ、孫悟空が鎮火する為に芭蕉扇を鉄扇公主から奪取(?)してくるお話です。
筆者は孫悟空と聞くとドラゴンボールを思い浮かべるのですが、どうでもいいですね、そんな事。最近の子供は知らないみたいですし、ドラゴンボール。
さて、薀蓄ばかりで申し訳ないのですが、本来、この山は本当に真っ赤に燃え盛っているように見えるはずなんです。しかし、この写真の通り、何故か砂漠の盆地のトルファンに雲がかかり、濃霧に囲われ、殆ど山が見えません。
悲劇はこの時もはや始まっていたようです。

火焔山の前には博物館があって、その中にこんな巨大温度計がおいてあるのですが、50度とかを差してました。嘘です。筆者の温度計では30度ちょっとでしたし、雲のせいで結構涼しくなってきてました。なんなんでしょうね。

交河故城と言う遺跡です。昔トルファンにあった高昌国の遺跡らしいですが、もはや廃墟です。それにしてもこの空、かなりの突風が吹き始めていました。砂が目に入って観光も一苦労。カメラに砂が入らないか心配でした。

このお爺ちゃんは昼食の際に孫(前出)に「Japanese」を中国語に訳させていたお爺ちゃんです。
190cmはツアー客全体に認知され打ち解けてきて、何か食い物を色々貰うようになっていたのですが、ここに来ておじいちゃんが地面に石で何か書きだしました。

解りますかね?『中日友好』と書いてくれました。いやぁ、嬉しいですね。ムッツリ顔でお爺ちゃんが何かごそごそ書いてる時は「日本鬼(リーベンクイ)」とか「東洋鬼子(トンヤンクイズ)」とか「小日本(シャオリーベン:蔑称)」とか書かれたら嫌だなぁ面倒だなぁ、とか思っていたので、感動もひとしおでした。
さて、この辺で天候が本気でおかしくなったようで、5箇所の観光地を回ってくれる契約内容だったのですが、屋内である地下水路博物館だけ行って、屋外観光地である何か(中国語で読めない、ガイドブックの中国語と一致しない何か)をスルーされてしまいました。多分千仏洞か高昌故城だと思うのですが、残念だなぁ、と思っていました。中国人の客もガイドと揉めてました。
が、バスの窓から外を見ると物凄い濃霧(水蒸気と砂とスモッグが織り成す砂漠のハーモニー)で視界が非常に悪くびっくりしました。
案の定、ウルムチ−トルファンを結ぶ高速道路が不通になり、帰路が閉ざされました。途方にくれるバスは高速道路入り口で暫く立ち往生していましたが、皆お腹が空いたので夕飯を食べにトルファン市内へ引き返しました。
バスガイドがごにょごにょ何か言って皆がバスからワラワラ出て行ってしまい、何時までにバスに戻ればいいのか皆目検討が付かずボケーっとしていたら、それまで別に筆者と接触した事のなかったツアー客の一組が筆者を食事に誘ってくれました。3人組みの一人がほんの僅かですが英語を解すので助かりました。
「餃子でいいか?」と聞くので「我愛餃子(ウォーアイチャオズ)」とか適当に片言中国語で答えたらニンマリしてました。
そして連れて行かれた餃子の店。適当に何か頼んでくれたのですが、餃子しか出てきません。日本の餃子より小さいのですが、3種類くらい、餃子ばっかり100個くらい出てきた気がします。それを4人でパクパク食べ続けました。そして何とおごってくれました。中国では食事に誘った方がおごるのは当然で、割り勘ってのは珍しいそうです(ガイドブックによる)。
3人のうち2人は夫婦だそうです。英語は喋れません。
英語が喋れる中国人は夫婦の友人で一緒に旅してるそうです。先に登場したジャイアンに輪をかけて筆者を気にかけてくれて、この後待っていたプチ難民泊の間も世話になりました。
この中国人は筆者の大学のゼミの先輩に瓜二つで面白かったので、勝手に筆者の中で『いつぅー』と先輩のあだ名を名づけてました。

いつぅー
後で聞いた話なのですがいつぅーとその友人夫婦は広東省の広州から旅行で来ていて、新疆地域は八日目になるそうです。
いつぅーの筆者に対する視線の送り方が妙に遠足の引率みたいな、勝手に変なところへ行かないように心配しているような雰囲気だったので職業を聞いてみたら案の定小学校の先生でした。面倒見の良さも納得しました。友達夫婦の奥さんの方も先生で職場仲間、旦那は先生ではないそうですが、良くジェスチャーで絡んできてくれて楽しい人でした。

夫婦。いつぅーは休みが取れない旦那とまだ旅には幼すぎる娘を家に置いて来たとの事。
食事を終えてバスに戻ると、今日はトルファンで一夜を明かす事が判明しました。ホテルはシーズン真っ盛りなのでどこも満杯、バスの中で寝る事になりそうでした。筆者は夜行バスで一夜を明かす事等は慣れているので、まあ、別にいっか、くらいに思っていたのですが、子供連れの中国人客なんかは結構困惑していました。
そうこうしているといつぅーが「レッツゴーツゥーザスーパーマーケット」と誘って来たので、一緒にスーパーに行き、バスの中で飲み食いする色々なものを買い込みに行きました。
どのお菓子が美味しいのか解らないのでいつぅーと全く同じもの選んでレジに並んでいたら、後ろに並んでいたいつぅーが全部払ってやると割り込んできて、すったもんだした挙句、押しの強い中国人パワーに負けておごられてしまいました。
霧と砂とスモッグのハーモニーが最高潮を迎え、視界が20mくらいになった頃、バスはガソリンスタンドの中にいました。夫婦の奥さんの方がくれた使い捨て防塵マスクをつけて外に出て涼んでいると(何故か涼しい)、ガイドがバスに乗れ!と皆を呼び集めました。
いつぅーが言うには、トルファン政府が泊まる場所を準備してくれたそうです。
行ってみると既に5,6台の観光バスが停車していました。駐車場かと思えばバスケットゴールが並ぶグランドで、いつぅーの話だと中学校だそうでした。
学校に避難して一泊なんて生まれて初めてでした。しかも中国。日本人一人。

トルファン政府は気を利かせたのかミネラルウォーターやカップヌードル、スイカを配ってました。何か妙に慣れているので、ジャイアンにこういう事はよくあるのか?と尋ねたら、年に3,4回あるらしいと聞いて来てくれました。
ツアー客は学校寮と思しき二段ベッドが4つ並んでいる部屋が沢山ある建物をあてがわれました。布団は無いのでベッドの板に直にですが、寝転がれました。

かなり早い者勝ち的に部屋とベッドが埋まっていきましたが、子供連れやお年寄りから優先的に下の階で電気が来ている部屋に皆で通している姿は、印象深かったです。
部屋は男女別で、隣のベッドはジャイアンでした。美人な奥さんと離れ離れになったジャイアンは突然筆者を呼び出して、寮の外へ。行ってみるとスイカの食べ放題をやってました。トルファン政府は太っ腹なのか何なのか、ジャイアンが煙草が吸いたいとか言ったらしく、カートンで買ってきてました。
上海で過労な程働いてる話、この旅でウイグル特産のナイフを買った話、羊を買ってそのナイフの試し切りで殺した話、これから飛行機でカシュガルとホータンに行く話、ホータンでは特産のホータン玉を買う予定だと言う話、夜通し話してました。
ベッドのある部屋は窓が空かず、電気もつかず、蒸し暑く、トイレが壊れててジャージャー流れ続けうすさく、バスの中より居心地が悪いくらいで、外でたむろしていたのです。
ジャイアンは「チャイナはキャピタリズムだからいかん。バスの中の方がましだった。これじゃ難民だ。上が良かれと思ってやった事でも、俺達にとってみれば迷惑なんだよな」と憤慨してました。
さらに「日本はソーシャリズムだからいいよな。」みたいな事も言っていました。
筆者は眠くなったので、ジャイアンに先に寝ると言うと、「お前は外国人だから特別に良い部屋使えるように話をつけた」みたいな事を言うじゃないですか。おいおい、どんだけ良い奴なんだ、お前は、と思いつつも、遠慮が中国では歓迎されない事も知りつつも、やっぱり遠慮して、元の部屋に戻って寝ました。
190cmは両脇にカメラを2台抱えたままなのですが、なんとか上手に寝れました。
朝起きて、カップラーメンにお湯を入れに行くと、そのお湯が出る給湯器のあるちょっと良い部屋の布団が敷いてあるベッドにジャイアンが大の字になって大いびきをかいてました。
カップ麺を食べつつ、いつぅーやその友人夫婦、筆者の後ろの席にいた若夫婦等とボケーっとひたすら待っていたら、別に天気が良くなったようには思えないのですが、道路が開通したとの事で、無事にウルムチまで帰ってこれました。
途中、いつぅーや友人夫婦が筆者の事を韓国人だと勘違いしている事が判明し、日本人だと訂正したらやっぱり微妙な空気が流れましたが、その後も変わらぬ態度で接してくれました。
中国政府の方針通り反日教育を実行している、過去の日本の悪行を(中国政府の誇張分も含めて)知り尽くしているであろう中国の学校教師だけに、思うところも色々なんでしょうが、結局最初から最後まで日本人の筆者に対して親切でした。
このツアー、決して値段的に高くは無いのですが、やっぱり中国人としてはそれなりの階層の人しか参加していないってのもあったのかもしれません。そもそも旅行に出れる中国人は恵まれた中国人です。
巷のネットカフェのバイトの中国人店員なんかは超無愛想でスーパーむかつきますし、北京なんかで反日暴動起こしたりしている中国人は、低所得層で、社会へ対する鬱憤の憂さ晴らし的な側面もあるそうです。
どちらにせよ、忘れられないツアーになりました。
ジャイアンがこんな事を言ってました。
「お前はラッキーだ」
190cm「なんで?」
「トルファンでこんな天気に遭遇できるなんて滅多に無い。」
今日の玉

葡萄の木の下で〜
今日のテクスチャー

独特なレンガ積みですね。
今日の萌 in the world

ポーズをとってくれました。
ぼちぼちバスの時間なんで後日まとめて集計します。
今日の撮影枚数枚
10万枚まであと枚
by 190cm | Comments(0) | Category [亜細亜]
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